小滝橋動物病院 新目白通り第2高度医療センター お電話0359585512
ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
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副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)を原因とした偽性ミオトニア

筋肉が持続的に収縮し続ける病態を「ミオトニア」と言います。筋肉を上手くゆるめることができず、四肢をはじめとした体の筋肉が持続的に緊張した状態になり、硬直歩行が見られます。
副腎皮質機能亢進症は犬に多くみられる内分泌疾患(ホルモンの病気)で、様々な全身症状を起こします。
正確な発症機序は解明されていませんが、副腎皮質機能亢進症にミオトニアが続発することがあります。
動画の子(11歳のジャックラッセルテリア)は、約2年前からこの病気が発症し、緩やかに症状が進行してきていたため当院に診断精査を希望され来院されました。MRI検査で脳・頚髄と頚部筋肉に明らかな異常所見は認められず、脳脊髄液検査にも異常は認められませんでした。以前から副腎皮質機能亢進症を患っていたことから、「副腎皮質機能亢進症を原因とした偽性ミオトニア」を疑い、筋電図検査を行ったところ、静止状態にも関わらず規則的な放電を示す"複合反復放電"が複数の筋肉で検出されたため、確定診断としました。
 頭部MRI検査で脳下垂体の明らかな腫大は認められず、腹部超音波検査で副腎腫瘍を疑う所見がなかったことから、副腎皮質機能亢進症に対する一般的な内科治療を開始しました。その後、筋緊張を和らげる効果を期待した内服薬の投与も開始しています。
 なお、副腎皮質機能亢進症の内服治療を開始する前にMRIで下垂体のサイズを見ておく事で、ネルソン様症候群発症のリスクを評価でき、より安全に治療が可能です。
筋電図検査 規則的な放電を示す複合反復放電
頭部MRI 明らかな下垂体の腫大は認められず
頚部MRI
執筆担当:獣医師 大竹
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