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ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

胸腰部椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアとは?

脊柱(背骨)は椎骨と呼ばれる骨が連なって構成されており、脊柱管内に脊髄が存在し、椎間孔から神経が分岐して身体の末端へと分布していきます。
この椎骨の椎体間に椎間板と呼ばれる物質が存在し、椎間板は線維構造をした外層の線維輪と中央やや背側に存在するゼラチン様物質の髄核で構成されています。椎間板の機能は椎骨間の運動を円滑にし、外的衝撃を吸収するクッションのような役割をしていると考えられています。
椎間板ヘルニアは、椎間板の変性より生じる髄核の脱出(Hansen Ⅰ型)や線維輪の突出(Hansen Ⅱ型)のことであり、これによって脊髄が圧迫されることにより脊髄障害を引き起こします。
症状は圧迫の程度から様々で、大きく5段階に分類されます。

Grade1:疼痛のみで、神経症状を示さない
Grade2:不全麻痺を呈し、正常な歩行ができない状態(ふらつき)
Grade3:重度の不全麻痺で、排尿困難を呈することもあり
Grade4:表在痛覚は消失するが、深部痛覚が存在する完全麻痺
Grade5:深部痛覚が消失した完全麻痺

Gradeが低い場合は鎮痛剤やステロイド剤の内服などの内科的療法やケージレスト、運動制限を実施することで改善が認められる場合があるが、Gradeが高くなるにつれて手術などの外科的処置が必要となります。
椎間板ヘルニアの診断には、造影X線画像検査、CT画像検査、MRI画像検査などが実施されるが、圧迫物質による脊髄への圧迫程度や脊柱管内での位置や占める範囲など、外科的処置を実施するにあたって正確な情報を得るためにはCT画像検査やMRI画像検査が有効です。
犬の胸腰椎領域の構造(犬と猫の神経病学 各論編より引用)
犬の椎間板断面図(犬と猫の神経病学 各論編より引用)
椎間板ヘルニアのタイプ(Hansen Ⅰ型とHansen Ⅱ型)
MRI画像(T2-Sagtal像:T13-L1間にて圧迫所見を確認)
MRI画像(T2-Axial像:この症例では右側からの圧迫が認められました)
胸腰部椎間板ヘルニアの外科的処置

椎間板ヘルニアに対する外科手術の目的は、脊柱管内に逸脱したヘルニア物質を可能な限り摘出することによる減圧であり、この減圧を達成するために、片側椎弓切除術(Hemilaminectomy)、小範囲片側椎弓切除術(Mini-hemilaminectomy)、椎弓根切除術(Pediculectomy)、側方椎体切除術(Lateral corpectomy)、背側椎弓切除術(Dorsal laminectomy)など様々な方法が行われます。
これらの術式には、それぞれ利点や欠点があるため、圧迫物質の位置や脊柱管内を占める範囲によって術式を選択したり、組み合わせて実施します。
上記の外科的処置以外にも経皮的レーザー椎間板減圧術(Percutaneous Laser Disc Decompression; PLDD)というレーザーを用いた治療法もあり、ヘルニアをおこしている椎間板にレーザーを照射することで髄核を蒸発消失させ、圧迫程度を軽減して症状を改善させる方法です。
外科手術と比較すると、PLDDは低侵襲であるため、身体的負担は少ないが、すべての椎間板ヘルニアに対して有効ではなく、Hansen Ⅱ型のような軽度な圧迫でのみ適応となります。


執筆担当:獣医師 初山
片側椎弓切除術は広範囲視野を確保できるが、椎骨の安定性が失われるため、脊柱管内の圧迫物質の範囲が狭い場合には小範囲片側椎弓切除術や椎弓根切除術が実施されることもあります
MRI画像検査の症例は右側片側椎弓切除術を実施しました。
椎間板ヘルニアでお悩みの方はメールや電話などでご相談ください。 執筆担当:獣医師 磯野
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